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矯正相談は、治療を決めるためだけの時間ではありません

執筆者の写真: 章貴 山田
章貴 山田
8月8日
読了時間: 4分

更新日:8月11日

私は、矯正相談を治療の契約を決める場だとは考えていません。

患者さんが何に困り、どうなりたいと思っているのか。それに対して、私たちが何を確認し、何を説明する必要があるのか。その二つを並べて、あなたが治療を受けるかどうかを考えるための時間です。

相談したからといって、その日に治療を決める必要はありません。


最初に聞きたいのは、装置の希望だけではありません


「前歯の重なりが気になる」「口元を整えたい」「噛みにくい」「仕事中は装置を目立たせたくない」。同じ矯正相談でも、出発点は一人ひとり違います。

私は、まずその理由を聞きます。

ただし、希望を聞くことと、希望された方法をそのまま行うことは同じではありません。歯並びの見た目だけでなく、噛み合わせ、歯や歯ぐき、お口全体の状態を確認しなければ、安全に治療はできないからです。

希望する装置が決まっていなくても構いません。考えがまだ言葉になっていなくても、そのままお話しください。


初回相談と精密検査は役割が違います


大ナゴヤ歯科クリニック・矯正歯科の初回相談では、お悩みと希望をうかがい、口腔内診査、写真撮影、画像検査によって、歯並びや噛み合わせ、お口全体の状態を確認します。

ここで分かることはお伝えします。しかし、初回相談だけで治療のすべてを断定することはしません。

どの歯をどの位置へ動かすのか。抜歯を検討するのか。どの装置が候補になるのか。具体的な治療計画には、より詳しい検査と診断が必要です。

すぐに答えを出すことより、まだ判断できないことを曖昧にしない。そのほうが、患者さんにも私たちにも誠実だと考えています。


相談で確認してほしい7つのこと


1.現在、どこに問題があるのか

歯の重なりやすき間だけでなく、上下の歯の関係や、横顔や顎のどこを気にしているのかを一緒に共有しましょう。


2.治療の目的は何か

歯を並べることだけが目的なのか、噛み合わせを含めて何を目指すのか。治療後の状態をどう考えているのかを聞くことが出発点になります。ただし治療の目的は矯正治療という者が何をする治療法なのか理解していただく必要があります。矯正治療の目的は見た目の改善だけではありません。矯正の教科書に書いてあることを一緒に確認していきます。


3.考えられる方法と、その理由は何か

ワイヤー矯正、マウスピース型の装置、部分的な治療には、それぞれ適する条件と限界があります。なぜその方法で治療をしたいのか理由も事前に理解しておくと良いでしょう。その上で核治療の限界値をお伝えさせていただきます。


4.抜歯や追加の処置をどう判断するのか

抜歯が必要かどうかは、歯の大きさや歯が埋まっている骨の状態、口元、噛み合わせ、歯や歯ぐきの状態などを踏まえて検討します。ご自身の印象だけで決めず、診断後の根拠を聞いてください。


5.期間、通院、費用はどこまで分かるのか

当院では初回相談時に費用をご提示しています。検査、毎回の調整、治療後の保定、追加処置など、何が含まれ、何が別になるのかも確認しておく必要があります。


6.負担、リスク、限界は何か

痛みや違和感、装置による傷、歯みがきの難しさなど、治療中に起こり得ることがあります。ご自身の場合に何へ注意する必要があるのか、利点と同じだけリスクも理解しておく必要があります。その説明を受けてください。


7.歯を動かした後に何をするのか

矯正治療は、歯を動かして終わりではありません。保定装置、使用期間、通院、お口の管理まで含めた見通しを確認してください。


私たちは必要なことを伝え、共に決めていきます。


治療を始めるか。今は始めないか。別の医療機関でも話を聞くか。十分な情報を得た後の決断は、患者さん自身が行うことですが、共に決められたらいいなと思っています。

しかし私は、患者さんが希望されたという理由だけで、健康や機能を損なう可能性がある治療まで引き受けることはできません。

私たちには、できることだけでなく、治療の難しさや治療を行わない方がいいことも説明する責任があります。

希望を尊重することと、医療者として判断を手放すことは違います。


相談前は、一番気になることだけでも十分です


相談前に、次のことをメモしておくと話しやすくなります。

  • 一番気になっていること

  • 見た目や噛み合わせについて望んでいること

  • 希望する時期や、仕事・生活上の制約

  • 装置、費用、通院について心配なこと

  • これまでの歯科治療、持病、服用中の薬、アレルギー

すべてを上手にまとめる必要はありません。


矯正相談は、治療を決める前に、何を考える必要があるのかを知る時間です。私たちは必要な検査と説明を行い、患者さんが自分の意思で治療を受けるか判断ができる時間になったらいいなと思っています。

参考情報

公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」

American Association of Orthodontists, Orthodontic FAQs

厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」

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