矯正は、歯並びだけを整える治療ではありません
- mk4952
- 2 時間前
- 読了時間: 3分
矯正治療は、歯並びの見た目だけを整える治療ではありません。
見た目の希望は大切です。しかし、それだけで治療の範囲や装置を決めることはしません。
見た目と機能は、分けずに確認します
歯がきれいに並んで見えることは、矯正治療を考える大きな理由の一つです。
矯正相談では、奥歯がどのように噛み合うか、顎を動かしたときに顎がどう働くかも確認します。
日本矯正歯科学会の標準治療の指針でも、矯正歯科治療の目的には、機能の改善とQOLの改善が含まれるとされています。
ただし、矯正治療を受ければ、すべての機能が必ず改善するという意味ではありません。
現在の歯や骨、歯ぐき、噛み合わせによって、目指せる状態や必要な治療は異なります。
まず、今の状態を共有します
治療の目的を考えるには、現在のお口の状態を知らなければなりません。
当院では、写真、画像検査、口腔内診査、デジタルスキャンなどを行い、歯並びだけでなく、歯、歯ぐき、骨、噛み合わせを確認します。
その結果を患者さんと共有し、何が問題で、何は問題ではないのかを説明します。
問題があれば、どうするかを相談します。
希望だけで、治療方法を決めない理由
患者さんには、「前歯だけ整えたい」「目立ちにくい装置にしたい」という希望があります。
その希望を受け取ることは必要です。しかし、希望された方法が、矯正治療のゴールに辿り着かない場合はご説明いたします。
たとえば前歯だけを動かすことで、奥歯の噛み合わせとのバランスを崩すと判断すれば、その方法は勧めません。
見た目を整えるために、生涯にわたる健康を害する可能性がある治療を行うのは、本末転倒だと思います。
できる治療だけでなく、難しい治療や、当院では行わない治療も説明します。
治療を決める責任と、患者さんの決断
どのような状態を治療目標とし、どの方法が医学的に必要かを判断するのは歯科医師です。
その考えを、患者さんが理解できるように伝えるのがコミュニケーションだと思っています。
説明を受けたうえで、治療を受け入れるかどうかを決めるのは患者さんです。
受けるという決断でも、受けないという決断でも、私たちは患者さんの意思決定を尊重します。
ただし、希望されたからという理由で、医療者として責任を持てない治療を引き受けることはしません。
患者さんの希望と、歯科医師としての責任。
その両方を曖昧にしないために、治療の目的からお話しします。
装置より先に、治療の目的を確認してください
マウスピースかワイヤーかを考える前に、何を治す必要があるのかを確認してください。
見た目、奥歯の噛み合わせ、前歯の働き、歯や歯ぐきの状態を並べて考えると、治療方法を選ぶ理由が見えてきます。
当院の矯正相談では、検査結果をもとに、治療で目指す状態、できること、難しいことを説明します。
決断を持ち帰って考え、治療を受けないと決めても構いません。
矯正治療を始めるか迷っている方は、まずご自身の状態と治療の目的を確認するところから始めてください。
参考情報
公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療における標準治療の指針」


